歴史ある北九州の文学スポットについて、詳しく丁寧に解説するサイト『文学の街・北九州』

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【岩下俊作『無法松の碑』】

昭和14年に書かれた岩下俊作の「富島松五郎伝」の主人公である車引き「松五郎」の碑で、
松五郎は小説の中の架空人物です。
気性の荒い松五郎は無法松と呼ばていましたが純情で義理人情に厚く、吉岡大尉未亡人母子
にその一生を捧げました。
後に何度も映画化されており、昭和33年稲垣浩監督の「無法松の一生」はベネチア映画祭
でグランプリを受賞、このときの伊丹万作脚色のシナリオがこの碑の中に埋められています。
碑名は岩下自身の筆で、脇には幼馴染で親友の劉寒吉の寄稿文も刻まれています。
いつも花が飾られて、あたかも実在の人物であったかのように市民からも親しまれています。

【横山白虹文学碑】

横山は吉岡禅寺洞の「天の川」の編集を担当し、小倉に居住しました。
現代俳句協会会長を6期、北九州文化連盟会長を20年務め、昭和37年7月、北九州俳句
協会結成時の会長を務めました。
小倉城松の丸あとにある13回忌記念の句碑には、「霧青し双手を人にさしのばす」が
刻まれています。

【万葉の庭】

小倉駅方面から紫川を渡ると大きな芝生の新勝山公園が、そこから市立図書館の裏手にある
広い勝山公園内の一角に万葉の庭があります。
その昔、門司〜小倉〜戸畑の海岸は美しい松が並んでいました。
白砂清祥の松原に打ち寄せる波の音、そして優しく吹く風に歌心を動かされる場所です。
豊国とは北九州東部から大分県にかけての地名で、ここを詠んだ歌が万葉集にも多くあり、
昔を偲ぶ歌碑として立てられています。